地域猫

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From:ぱくたそ

地域猫とは、飼い主が明確ではない、特定地域をテリトリーとする猫。テリトリーとする場所や状況によっては、島猫、寺猫、駅猫などとも言われる。野良猫との違いは、個人または団体により、食事、医療、住居、繁殖等の少なくとも一部を継続的にケアされている点である。地域猫は、衛生、騒音等の理由でトラブルの原因になっていることもあるが。一方で、観光資源となっていることもある。

日本では、民法上、ペットは所有物扱いだ。だから、お隣さんが飼っている猫に何かしでかしたら、刑法261条の対象になりえるし、実際に損害補償が認められた判例もある。でもこれは、誰かの所有物、つまり飼い猫の話。じゃあ、地域猫、つまり、誰にも飼われていない猫の法律上の扱いはどうなってるの?

所有物ではないので、民法の範疇ではない。根拠となるのは動物の愛護及び管理に関する法律、いわゆる動物愛護法。

そもそも動物愛護法の目的は何か。たいていの法律は、1条を見れば目的とか背景がわかるようになっている。動物愛護法の場合はこんな感じ。

第一条 この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操のかん養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。

動物の愛護及び管理に関する法律

簡単にいうと、だ。

  • 動物を愛することで、優しい気持ちを育てましょう
  • 動物を適切に管理して、上手く共存しましょう

優しい気持ちが育ってない者に対して、動物愛護法は優しくない。44条では「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する」と規定している。ちなみに5年以下の懲役は、刑法でいうと、業務上過失致死傷罪(211条)とか横領罪(252条)相当だ。この「愛護動物」も法律で定義されていて、猫は、飼い猫だろうが地域猫だろうがこの中に含まれている。ついでにいうと、犬はもちろんアヒルもこの中に入っている。

つまり地域猫は、法律によって守られてはいる。だが、そうはいっても動物愛護法は、地域猫を推奨しているわけではない。優しい気持ちを育てるのが目的なのだから、動物をいじめる人を放置しておけない、ということなんだろう。そもそも共存できなければ、優しい気持ちどころではない。

地域猫は、野良猫から飼い猫への過渡対策と解釈されることもある。ある意味そうかもしれない。ヒトと猫とが共生してきた時間は長い。これからも上手くやっていきたいものだ。


Reference

  • https://jspca.or.jp/localcat.html
  • https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/index.html
  • https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=348AC1000000105_20250601_504AC0000000068
  • https://www.jstage.jst.go.jp/article/kla/2019/0/2019_21/_pdf/-char/en
  • https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045
  • https://www.moj.go.jp/content/001314325.pdf
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